不眠で死んだ人はいないー不眠症で悩まないためにー
『道は開ける』より
夜眠れないと不安になります。特に悩みのある時は。理不尽な扱いへの怒りや、人生の悩みを繰り返し頭の中で考えてしまい、同じことをグルグルと、頭の中で一人会議が始まり眠れなくなること。
そんな日があると眠れなことへの不安は発生してしまいます。数日で眠れるようになればいいのですが、熟睡できない日が続くとますます気になってしまいますね。
ですが不眠症について悩むことは、不眠症そのもの以上に害があるといわれています。
また人間は不眠症が原因で死んだということはありません。
確かに人間は不眠でなやみ、次第に生命力が衰えて、やがて病気のために命を失うことはあります。ですがそれは悩みが原因なのであって、不眠が原因ではありません。ですので悩むことをやめることで、不眠の悩みからもやがて解放されます。
眠れないことで悩んだときは、眠くなるまで仕事をするか、読書するかしてみましょう。先のように、眠れなくても、それが原因で死ぬことはありません。気にしすぎないようにしましょう。
また体の力を抜くリラックス、ストレッチ、瞑想してみるなどもいいです。
または運動で体を疲れさせてしまうのも効果的です。
それでも悩みの原因と向き合わないといけないときはー疲労や悩みの原因となる倦怠を追い払うにはー
『道は開ける』より
人間どうしてもやりたくない仕事をやらないといけないときや、意に反したことを強いられる時があります。そうしたときに嫌だなぁという気持ちのまま続けてしまうことは精神的によくありません。それは最終的には病気につながることも。
ではしたくないことをしなくてはいけないときには、どう考えればいいのでしょうか?
道は開けるでは「疲労の主な原因の一つは倦怠である」としています。
簡単に言うと、人間は楽しいことをしているときは、そうそう疲れない。でも楽しくないことを強いられると、疲れる。例えば友達とカラオケではしゃいだ時は、何時間歌ってもそんなに疲れない。でも退屈な仕事ならたとえ1時間でも疲れてしまう。
また同じ行動をしても、気持ちによって楽しいことも、疲れることもあります。例えば友達や家族との食事は楽しい、でも職場の苦手な上司との食事は疲れるだけ…などのように。
つまり疲労感を感じるかどうかは、肉体の消耗よりも人間の心理状態と密接に関連しています。特に倦怠・・・つまり退屈さは疲労の最大の原因です。
ではどう対処すればいいのでしょうか。それは「退屈なことを、あたかも楽しいことのようにふるまうこと」としています。
私たちはいかにも仕事を楽しんでいるふりをすると、実際にあるていど楽しくなってきます。また仕事が楽しくなると、能率も上がります。
例えば毎日の退屈な事務作業を進めるときに、「昨日より短い時間で仕上げよう」というふうに、昨日の自分自身と競争してみるとか。
または職場の同僚と同じ作業をどちらが正確に、早くできるかで競争してみるとか。
あたかも自分のしていることが楽しい、興味があるというふうにふるまえば、そのことによって疲労や緊張、悩みは軽減していきます。
または自分自身を励ますことも有効です。
「今日これをしないと食べていけないんだから、楽しんでがんばるんだぞ!」
「今日これを仕上げたら、明日は遊ぶぞ!」・・・という感じで。
毎日朝起きたときに、自分自身を励ますこと。そんな簡単なことでも日々の疲労感は違ってきます。
「我々の人生とは、我々の思考が作りあげるものにほかならない」マルクス・アウレリウス
毎日楽しいことだけをできればいいのでしょうが、実際はそうはいきません。ですが意に沿はないことをするときに、どういう気持ちの持ち方で臨むのか、たったそれだけで私たちの一日は違ってきます。
私たちは正しい考え方をすることで、どんな嫌なことでも嫌悪感を減らすことができます。それは結果として仕事の成果を出すことにつながるでしょう。
疲労と悩みを予防する4つの習慣
『道は開ける』より
毎日の生活の中で疲れないようにすること、悩まないようにするためには、簡単な4つのテクニックがあります。
その1:机の上に書類を山積みにしないこと
よくある光景ですが、しなくてはいけない書類を机の上に山積みにしておくこと。これはかえって仕事の能率を下げます。
なぜなら、しなくてはいけないことが無数にあるのに、時間がないという強迫観念にかられ、緊張と疲労に追いやられるからです。
効率的に仕事をするためにも、机の上は今している仕事のみに。必要な書類はその都度取り出すようにしましょう。
その2:重要性に応じて問題を処理する
人間は必ずしも問題をその重要性に応じて処理していません。できること、やったことがあることから処理していく傾向があります。まずは一番大事なことを最初に処理するようにしたほうが、行き当たりばったり寄りは効率がいい。
その3:決断を先送りしない
仕事のアポを取るとき、何か決定しないといけないときなど、問題に直面した時はその場その場で結論を出すようにしましょう。後から考えてから・・・というのは、精神的な負担になるだけです。できる決断はその場その場でするようにこころがけましょう。
決めなければいけないこと、やらなければいけないことが減ることで、精神的な負担が軽減します。
仮に決断するに十分な情報がないときは、「今は決断しない。必要な情報を集めてから、改めて考える」という決断をして忘れることです。
その4:他人に任せてしまう
多くの人は他人に任せることをせず、なんでも自分でしてしまいがちです。あなたの仕事を誰かに任せたからと言って、仕事がなくなることはありません。また別の仕事が、または職場があなたを待っています。
変な心配をしなくてもいいので、任せる仕事は任せましょう。
仕事は大切ですが、やりすぎると早死にしてしまいます。
疲労を忘れ、若さを保つ方法
『道は開ける』より
単純なことですが、悩みを軽減する最良の方法は「誰か信頼できる人に、悩みを打ち明けること」です。一人で悩んでいるだけでは、神経の緊張は増すばかり。神経の緊張は筋肉の緊張を生み、体の疲労につながり、最終的には病気になることも。
私たちには、この世の誰かが自分の悩みを聞いてくれ、理解してくれると感じることも必要です。このことだけで悩みが軽減されます。それは言葉の持つ治癒力の効果です。
精神分析の分野では、患者が打ち明けさえすれば、内心の不安からは解放されると認識されています。それは打ち明けることによって、私たちは自分の悩みをいくらか洞察することができ、状況を判断しやするなるから。
もちろん誰だも彼でもではだめで、また一人の人に何度ももダメ。人は誰でも自分のこと、自分の家族のことで精いっぱいです。また他人の悩みを聞くのは、結構精神的な体力を使います。誰かに悩みを聞いてもらうときは、相手の状況などにも気を使いながら聞いてもらいましょう。
また下のような方法も悩みを改善するのに効果があります。
感銘を受けた本、文章などを保存しておき、悩んだ時に見返してみる。
他人の欠点にいつまでもこだわらない。
周りの人に関心を持ち、親切にしてみる。
今夜ベットに入る前に、明日のスケジュールを決めてしまう。忙しいときには、悩んでいる暇もありません。
緊張を和らげる習慣を持つ。リラックスる。
疲れの原因とその対策
『道は開ける』より
肉体を使う仕事で、体が疲れるのは当然です。ですが、デスクワークで腰や腕が疲れるのも、まぁ当然。ですが、精神的な疲れは、そもそも何が原因なのでしょうか?
「我々を悩ます疲れの大部分は、精神的原因からきている。純粋に肉体的原因で消耗する例は実にまれである」J・A・ハドフィールド
「健康な座業労働者の疲労の原因は、100%が心理的要素すなわち情緒的要素である」A・A・ブリル博士
精神面の疲れの原因は、感情です。
どんな精神状態が私たちを疲労させるかというと、退屈、恨み、正当に評価されていないという気持ち、無力感、焦り、不安などなど。こうした感情が私たちを疲れさせ、悩まし、ときには病気にしたりもします。
一方で喜びや満足感などは私たちを疲労させることはありません。
肉体的な疲れは、たいていの場合十分な睡眠や、休息によって回復します。ですが精神面が原因の疲れは、そう簡単には回復しません。悩み、緊張、感情の混乱は疲労の3大原因ともいわれます。
そうした感情は無意識に私たちの体を緊張させます。顔をこわばらせたり、歯をかみしめたり、怒りで全身をこわばらせたり。筋肉が緊張すれば、筋肉が働いているということ、つまり精神面の混乱は最終的には体の疲労につながっていきます。
こうしたことを防ぐために大切なのは、結局はリラックスすること。仕事中に時には軽く目を閉じて、深呼吸をしてみる。少し体を動かしてみる。力を抜くことを意識しましょう。
体の疲労と悩みの関連性
『道は開ける』より
疲労はしばしば悩みを引き起こします。肉体の疲労は、やがては精神的な疲労・悩みにつながります。では疲労と悩みを予防するためには・・・単純ですが「たびたび休養すること」しかありません。疲れる前に休みましょう。
例えばアメリカ陸軍では兵士たちに休息することを命じます。それは1時間に10分程度休憩したほうが、連続して行動するよりも効果的という事実をしっているからです。
「休息とは何もしていなことではない。休息とは回復である」ダニエル・ジョスリン
それほど大可刈りなことをする必要はありません。大切な会議の前に、少し目を閉じてみる、椅子に座れる時には座るようにする、時間が取れるようだったら少し昼寝するなどでも十分です。
「軍隊でやっていることを見習って、時々休憩しよう。皆さんの心臓と同じように働こう。疲れる前に休むのだ。そうすれば、あなたは起きているうちの人生に一日1時間付け加えることができるだろう」
自分自身が自分の批評家になる
『道は開ける』より
誰からから批判されて傷つかないようになろうと思ったら、いっそのこと自分自身が自分の一番の批評家になりましょう。例えば週末の土曜日に「今週の私の行動で良くなかったところは…」とか、一日の終わりにその日の行動を反省してみるなどです。
あの時私はどんな誤りをおかしたか、どんな正しい処置をしたか、どうすれば改善できたか、あの経験からどんな教訓を得たのか。
そんなことを自分自身で反省する習慣をつくりましょう。誰からから批判されて傷つくのがいやだったら、逆に自分自身で自分の弱点を見つけて直していきましょう。
「私たちが正しくふるまえるのは、4回の内せいぜい3回にすぎない」セオドア・ルーズベルト
「自分の結論は回数にすれば99%は間違っていた」アインシュタイン
「我々の敵の意見は、我々に関する限り自分自身の意見よりも真実に近い」ラ・ロシュフコー
私たちは誰しも完ぺきではありません。イチローだって成功するのは10回のうち3回程度。それなのに私たちは誰かから批判され始めると、何を言いたいのか少しも見当がつかないうちから、早くも自動的に防御態勢をとってしまいます。自分自身の中で言い訳を探し出します。
私たちは褒められればうれしいし、けなされれば腹が立つ、感情的な動物です。ですが自己弁護ほど無意味なことはありません。大切なのは正しい批判だったら、それを受け入れて、改善していくこと、そうでなければ流してしまうことです。
誰かに悪口を言われても、自己弁護しないようにしましょう。むしろそれを自分自身が成長するための糧にしていきましょう。