避けられない運命には調子を合わせる
「道は開ける」より
私たちは人生を歩むうち、自分ではどうしようもない理不尽な状況に遭遇することがよくあります。そうした状況に陥ることは、もうしょうがないことです。大切なのはそうしたときに、どういう反応をするかということ。
それを運命と受け入れて、流してしまう・忘れてしまうか、一生を台無しにするくらい贖ってみるか、その選択をするのは自分自身です。
哲学者のウィリアム・ジェイムズは「物事をあるがままの姿で受け入れよ。起こったことを受け入れることが不幸な結果を克服する第一歩である」といっています。
またイギリスのジョージ5世は「月を求めて泣かぬよう、こぼれたミルクを悔やまぬよう、余に教えよ」といっています。
周囲の状況だけで人間の幸福や不幸が決まるわけではありません。私たちの感情を左右するのは、自分自身の反応です。キリストも「天国は自分の中にある」といっています。毎日を天国にするのも、地獄にするのも、選択するのは自分自身です。
我々にできるのはただ一つ。
「苦境に立って万事休した時には、できることがあれば、それをやる。できることがなければ、あとは忘れるだけ。私は未来について決して心配しない。未来にどんなことが起きるかを予想できる人などいないから」K・T・ケラー(クライスラーコーポレーション社長)
「幸福への道はただ一つしかない。それは、意思の力でどうにもならない物事は悩んだりしないこと」エピクテトス(ローマの哲学者)
まとめ
神よ、我に与えたまえ
変えられないことを受け入れる、心の平静と、
変えられることを変えていく勇気と、
それらを区別する叡智とを。
ラインホルト・ニーバー博士の言葉
個人的には「まぁ、よくあることやね」とか「それ、前に別の人から聞いたのと同じ話」って感じで処理するようにしてます。
小事にこだわるには、人生はあまりに短い
人間は忘れても構わない小さな事柄のために、自分自身を台無しにする。人生は短すぎる、小事にこだわってはいられない。
小事にこだわらないためには、努めて力点を変えてみること。心の中に新しく愉快な視点を作ること。
悩まない方法
道は開けるより
悩みから心を開放するためには、「悩んだりする暇がない状態を作ること」。
忙しい状態に身を置くだけで、悩みから解放される。それはなぜかというと、人間は一度に一つのことしか考えられない生き物だから。
また人間は忙しくないと、心が真空に近い状態になりやすい。心に空きができると、悩み、恐怖、憎悪、嫉妬、羨望など感情が生まれやすい。そうした感情は原始時代そのままの力強いエネルギーを持った感情だから。
悩みは人間が忙しくしている時ではなく、一日の仕事が終わったときに人間にとりつき害をなす。そんな時はやたらと妄想し、あらゆる種類のばかげた可能性を拾い上げ、小さな失敗を一つ一つ拡大していく。悩みに対する治療法は、建設な仕事に没頭すること。
人間が仕事に没頭するとき、ある心地よい安心感、一種の幸福感が神経を穏やかにする。
レッドブルカラーが日本でも!
悩みの分析と解決法
(1)事実の把握
事実を知らなければ、自分の問題を手際よく解決することは不可能。混乱こそ悩みの第1理由。この世の悩みの大半は、判断の根拠となる知識が十分でないのに、あえて判断をくだそうとするから生じる。誰でも時間の許す限り、公平な立場で事実を集めることに専念すれば、悩みは自然と解決する。
あることで悩み始めると、人間は施行する努力を省きたいためにありとあらゆる方便に頼ろうとする。すでに考えていることに合致する事実ばかりを探し回り、他のすべてを無視してしまう。自分の行為を正当化する事実、自分の希望的観測に好都合な事実や、抱いている偏見を正当化する事実だけを望む。
我々の願望に合う事柄はすべて事実のように思われ、そうでないものは我々を激怒させる。
悩みを解決するためのレシピ
不安を解決するための3つのステップ
ステップ1
まずは状況を分析し、その失敗の結果起こりうる最悪の事態を予測する。仕事菅家ならば、首になる。取引が終了するなど。・・・たいていの場合、逮捕されてり殺されるわけではない。
ステップ2
起こりうる最悪の事態を予測したら、已む得ない場合にはその結果に従う覚悟をする。
覚悟を決めると案外落ち着くもの。例えば仕事を首になっても、また別のを探せばいいとか。
ステップ3
最悪の事態を少しでも好転させるように冷静に自分の時間とエネルギーを集中させる。ステップ2の後なら、案外落ち着いて、次の手を考えられるものだ。
事態をあるがままに受け入れる。起きてしまったことを受け入れることこそ、どんな不幸な結果をも克服する出発点になる。
あまりよくないのが、怒りと混乱のために自分の人生を台無しにしてしまうこと。
今日一日の区切りで生きる
我々にとって大切なのは、特にぼんやりと存在しているものに目をやるのではなく、目の前にあるはっきりと存在していることに注意すること。
そのためには、「今日一日の区切りで生きる」ことが大切。
過去と縁を切る。明日の重荷に、昨日の重荷を加えて、それを今日背負えるほどに人間は強くない。過去と同様に未来もきっぱりと切り離す。未来とは今日のこと。明日など存在しない。
明日の準備をする最良の手段は、今日の仕事を全力で行うこと。
そうはいっても、将来のことを全く考えないで過ごすわけにはいかない。
明日のことは配慮すべきこと、考えておくことではある。ただし心配したり、ましてや悩むことではない。
今日という日は、もう二度とめぐっては来ない。人生とは、生きることの中、毎日毎時間の連続の中にある。