奉仕の心は悩みを解決するー2週間でうつを治すには

『道は開ける』より

「どうしたら他人を喜ばすことができるか、毎日考えてみることでうつ病は全快する」

ルフレッド・アドラー

精神分析アドラー博士はうつ病の患者に決まって上のことばを伝えたそうです。

うつ病とは他人に対する長期に及ぶ憤怒、非難のごときもの。とはいえ、保護、同情、支持を得たいがために、患者は自分の罪の意識に沈み込んでいるように見える。うつ病患者はどうしたら他人を悩ますことができるか、ということばかり考えている。

だからアドラー博士は「どうしたら他人を喜ばすことができるか」を考えるように伝えました。「一日一善」は他人ではなく、自分を悩みから解放してくれる。

 

他人への奉仕をとく言葉は、世界の様々な人から語られています。

「あなたの隣人を愛せ」キリスト

「私は奉仕する」イギリス皇太子の座右の銘

「善行とは他人の顔に歓喜の微笑みをもたらす行為である」ムハンマド

 

一日一善を実行すれば、他人を喜ばそうとすることによって、自分自身の悩み、恐怖、うつ病の根源となっているものについて考えなくなります。与えることにより、自分自身も幸福を感じることができます。人を助け、愛を分け与えることによって、悩み、悲しみ、自己憐憫を克服することができます。仲間に対して関心を持たない人間こそ、人生において最大の苦難に悩み、時には他人に最大の危害をもたらします。

 

「他人に対して善を行うとき、人間は自己に対して最善を行っている」ベンジャミン・フランクリン

「他人に善を行うのは義務ではない。歓喜である。それは行うものの健康と幸福を増進する」ゾロアスター

「自分のために命を得ようとするものは、それを失い、私のために命を失うものはかえってそれを得る」キリスト

自分のことしか考えない人間は、人生から多くを得られません。そんな人間は必ずみじめになります。他人への奉仕で自分自身を忘れる人間は、人生の喜びを見出すことができます。

 

人が短い一生から喜びを取り出そうと思うのだったら、自分よりも他人のために役立つように考えかつ行動すること。なぜなら自分に対する喜びは、自分が彼らに与える喜びと、彼らが自分に与えてくれる喜びによって決まります。

 

では実際にはどうすればいいか? 毎日顔を合わせる人々から始めてみる。コンビニ、スーパー、ガソリンスタンドなどに入ったとき、自分のほうから何か話しかけてみる。そこで働く人たちを機械の歯車としてではなく、一人の人間としてみて話しかけることから始めてみる。

 

他人に興味を持つことによって、自分自身を忘れましょう。毎日、誰かの顔に喜びのほほえみが浮かぶような善行を心がけましょう。それは結果として自分をも幸せにしてくれます。