経済で読み解く明治維新 レビュー

経済で読み解く明治維新 上念司著

・・・を読んでいます。非常に面白い。

おすすめするポイントは下の3つ。

 

その1:江戸時代を経済&社会面から学べる

日本史の授業では3大改革をいいものとして習った記憶なのですが、この本を読むと真逆だったことがわかる。特に、授業では悪名高かった田沼意次。最近ちょくちょく名誉回復する情報を目にしていたのですが、こちらでその理由をしっかり解説してくれてます。まさに目から鱗の内容でした。

 

その2:現代に通じる経済の流れ

リフレ派の論客らしく、現在のアベノミクスとも絡めてくれてますので、今の経済の勉強にもなります。デフレがなぜ起こるのか、なぜいけないのか。結局今も昔も本筋は同じことだったのね、と納得。

 

その3:データで見る歴史

経済評論家なので、様々な事象をきちんとデータ数字で解説してくれてます。非常に納得できる。新井白石なんかは感情面でいうといい政策をしているようですが、データでみるとその欠点をしっかり把握できます。

これって現実社会でもときどきありますね。

 

その4:江戸時代の印象が変わる

江戸時代というと250年続いた、身分制に苦しめられた、閉塞感に包まれた時代という印象がありますが、現実の江戸時代が理解できます。教科書でよくわからなかった江戸時代の本当の姿が見えてきます。これは小説 天地明察でも感じられたことですが。

 

その5:江戸時代の滅びた理由がわかる

経済面から言えば、実は世界的に見ても発展していた江戸時代。そんな時代がなぜ滅びてしまったのか。その教訓を得ることができます。

 

私が感じた教訓は、

・生きるのには、「今何が求められているのか」「何を売ったら儲かるのか」など、時代の流れを読む逞しさが必要

・情報を集め、良い案を聞く素直さと柔軟性が必要

・飛躍するには、時に「狂気」と「リアリズム」が必要

といったところです。